絞り回数低減を生かした製品
主力商品のひとつであるステンレス製の調味缶を例にします。

【ステンレス製の調味缶】
調味缶はご存知のとおりどうということのない、どこにでも売っていそうなただの缶ですが、この商品には当社の絞り加工技術の全てが詰まっている、といっても過言ではないかもしれません。
二十数年前、ステンレスの深絞り加工がようやく安定してできるようになりつつあった時に、その技術を生かした製品は何か?と考えた時、このステンレスの調味缶が目に止まりました。すでに近隣で同様の商品を作っているところが何社かあったので、最後発で乗り込むにあたり、圧倒的に低コストで作る必要がありました。
そのためには、とくに調味缶の本体部分をいかに低コストで作るか?が重要だと考え、絞り加工回数や、その前後の処理コスト削減を重点的に行いました。通常であれば写真のような製品なら3回くらいに分けて絞り加工するのが無難、もしくは2回の絞り加工で行うにしても1回目の加工が終わってから熱処理で加工硬化を元に戻してやる、などの方法になるのですが、当社ではこれを熱処理などをせずに2回の絞り加工で作っています。
こう書くと熱処理だけが削減されているように見えますが、実は熱処理だけでなく、1回絞り加工した製品を熱処理のために洗浄する工程、そして熱処理後に2回目の絞り加工をするための塗油工程など、少なく見ても3つの工程を省くことができているのです。
さらに、この商品の場合、形になっていれば良いのではなく、フタと本体のネジがしっかりしまらなければなりません。しめた時にネジが空回りしたり、逆にしまらなかったり、では商品として×なのです。
そして、極めつけはネジがしっかりしまりつつ、例えば1個目のフタと10万個目の本体とを組み合わせたときに、それでもちゃんとしまらなければならない、と考えています。
普通の人はそんなことは、ごく当たり前のこと、とお考えかもしれませんが、これが簡単そうで難しいことなのです。当社で作る調味缶は主に業務用として使われ、種類も調味缶シリーズだけで100種類を超えるため、場合によってはフタだけ別のものが欲しい、とか、本体だけが欲しい、といった注文をいただくことがあります。
このときに、送った部品がお客様の元でちゃんと組めなかったら、大変です。そんなこたぁないだろ!とお思いかもしれませんが、いい加減な絞り加工で作られた調味缶では、実際に起こる問題なのです。
送った部品のネジ寸法が大きいのか?小さいのか?合うような寸法のフタを再度送って・・・なんてこと当社はしていられません。
後始末よりも前始末。最初からカッチリと同じ寸法のものを長期間安定して生産し続けることは、難しいことではありますが後々の問題を確実に少なくしてくれると信じて、今日もKASHIWA製品を作り続けております。
その他の深絞り加工製品
- 当社製品はほとんどが絞り加工をメインとした加工で生産していますが、その中でも特に深絞りのメリットが生かせていると思う商品を紹介させていただきます。

例1

例2
- 2重マグカップです。
- 外側と内側の部品をそれぞれ別に絞り加工で成形→切削→飲み口部分で溶接して研磨で仕上げています。
- 本体・ハンドル共にSUS304。


